エメラルド王 早田英志:コロンビアで財を成した漢

コロンビア現地で早田さんと一緒に働いていた日本人の方に、「最近日本のバラエティ番組に早田さん出演されているんですけどご存知でした?」と話すと結構びっくりされます。というのも彼らの中ではあくまで凄い人だけどただの仕事仲間であるからなんだと思います。スぺ語の先生に聞いても彼の名前は知りませんでした。日本のバラエティ番組って凄い好きでYouTubeでよく観ますが、人の当たり前を変えてしまう(洗脳)のは本当怖いなってつくづく思います。でもここで書きたいのはメディア論ではなく、こんな凄い日本人がいたという事実をもっと幅広い層に知って頂きたくて、敬意を表してここに書き留めておきたいと思います。

早田英志さんを知らない人に簡単に説明しますと、彼は結婚もして就職もしている中でロマンを求め海外放浪し、コスタリカ、その次にコロンビアに移住し、日本のバブルも相まってエメラルドの輸出市場(バブル当時コロンビアのエメラルド総輸出量の約7割が日本向け)を一時牛耳るほど成功したビジネスマンです。何より一文無しから鉱山の地を這って国籍・人種の壁を越えて成功する彼の生き様がかっこよく、稼いだお金も実費による映画撮影とギャンブルで最後はこけてしまうというなんとも破天荒な方です。

スぺ語の先生は知らなかったと書きましたが、やはりエメラルド市場はコカイン市場とは違って表向きの産業とはいえ鉱山の所有権や管理・セキュリティーはグレーな方々が絶対に絡む市場で、その点彼の名前がコロンビア人の大衆に知られることがないのは自然なことかと思います。しかし、以前ボゴタのホステルで知り合った旅行中のイギリス人、自称言語マニアのラテン語教師に、「エメラルド市場を一時期牛耳っていたのは日本人だったって知ってるか?」と聞かれたことがあるほど、知的好奇心の強い人はやっぱり知っているんだなと感心したことがあります。なので実際裏では有名な方だし、テレビの云う破天荒な人生は大袈裟でもなんでもないと思っています。

ワタシの言葉でグダグダ記載しても仕方ないので彼の概要は「アウトxデラックス」「BAZOOKA」の番組がYouTubeに上がっているので「早田英志」を加えて是非検索してみてください。コロンビアに関心がなくても彼の生き様には自分の人生を振り替えさせられる何かがあると思います。また、動画は無料で気軽に観れるのでおススメですが番組側の意向が優先されるので彼が出した本も是非読んでみてください。独特な文章表現はどこまで早田さん自身の表現なのかはわかりませんが、興奮冷めやらぬまま読み終えました。常に命を狙われるも、それに踊らされず縛られずに奔走する彼の生き様、友情愛・家族愛は本当にカッコいい。漢の中の漢とはこういう人をいうんだなとしっくりきました。

エメラルドの価格は数十年前と比べて暴落し市場全体が縮小してしまった斜陽産業ということもあり、ボゴタの北部にあるエメラルド鉱山なんかは絶対に行かない方がいいとコロンビア人にはよく止められます。山賊に襲われる話なんかは今では珍しくなったようですが、よそ者は目立つから気を付けるようにと。今度行く機会があればご紹介させて頂きます。

“エメラルド王 早田英志:コロンビアで財を成した漢” への2件の返信

  1. エメラルド王という言葉に引かれここにたどり着きました。興味を持って拝見しました。
    早田氏の波乱万丈の人生は映画やテレビで初めて知りました。

    その早田氏よりはるかに凄い日本人がコロンビアにいたのをご存知でしょうか?
    河合誠一です。ネットで検索してもほとんど出てきません。

    コロンビアでエメラルドを扱った日本人のパトロン的存在でスケール的には早田氏とは比べものになりません。自分が彼のことを知ったのは今から50年ほど前に朝日新聞の社会欄に大きく取り上げられた
    記事でした。すでに彼は大成功しており、一時帰国した際に帝国ホテルのスィートルームを借り切り、
    コロンビアで一旗あげたい若者の面接を行ういうものでした。

    エメラルドの輸出で莫大な利益を享受し、更なる夢を追い、オリノコ地方に広大な土地を購入した。大牧場とテーマパークのようなものを造ろうとしたのです。途中、資金不足のためか麻薬カルテルのマネーロンダリングを始め、人生の歯車が狂いだした。結果として、米国に逮捕され収監された。噂では証人保護プログラムのもと米国に居住しているとか、その後の彼を知る者はいません。

    このまま早田氏の影に忘れ去れてもと思い筆を執りました。何かの参考になれば幸いです。

    1. tapatioさん、貴重な情報を詳細までありがとうございます。
      河合誠一氏に関しては本の中で「日本人エメラルド輸出業者の草分けにして後に堕落してコカをさわり、FBIの囮捜査によって逮捕され米国の刑務所に収監された河合誠一・・・」という記載だけがあり、気になっていたところでした。

      仰る通り、ネット上の日本語での情報は限定されているようですね。
      英語になってしまいますが、コロンビア政府がエメラルド取引の恩恵を受けるために反社会勢力(もしくは投機家)に鉱山を賃貸した際のシカゴトリビューンの記事(1980年12月4日付)に、河合氏に関する記述がありました。”Seiichi Kawai, a former gardener who in a short time has become the world’s leading emerald exporter(短期間で世界トップのエメラルド輸出業者にのし上がった元園芸家、河合誠一)”、”Assiduously polite(とにかく礼儀正しい人)”、”It was his million-acre cattle ranch(何百万ドルもの資産を証明する河合氏が保有する100万エーカーの牧場)”、”The 46-year-old Japanese immigrant said he had only one pistol(銃を何丁も保有する人がいる中で、当時46歳の日系移民である河合氏は一丁のみ)”等々、ほんの少しではありますが河合氏が垣間見れました。また、当時のエメラルドを取り囲む環境が如何に危険に満ちたものかも伝わってきます。ご参考まで。

      残念な形で表舞台から去ったようですが、それまでの成功は事実であり決して忘れられてはいけない方のようですね。頂いたコメントのおかげです。改めてありがとうございます。
      Colombia rents mine to thugs to reap some green from emerald trade

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