母の日のカーネーションにまつわる少し悲しいお話

先週の日曜は母の日でしたね。今までの人生であまり意識したことがない日でしたが、家族愛が強いコロンビアの一般家庭ではその日家族と過ごすことが当たり前の、非常に大切な日という印象を受けました。何よりカーネーションを始めとする花き産業はコロンビアのイメージを創る程有名なので少し調べてみました。

花は重要な産業、でも問題山積み

まず、telesurのこちらの記事(Colombian Moms Suffer for Your Mother’s Day Flowers、英語)よりコロンビアの花き産業に関して要点だけ抽出すると、

  • アメリカが輸入する花の78%がコロンビア産
  • 最低賃金(約3万円/月)で母の日に向けた繁忙期の4月は週84時間の重労働
  • 労働者の8割が、繁忙期の長時間労働から生じる肉体的・精神的苦痛を覚えている
  • 繁忙期は母の日の準備期間とバレンタインデーの準備期間
  • 当産業の65%が女性で、セクハラの問題を始め、役職や待遇を巡って性差別が横行
  • 当産業の労働者13万人の内、労働組合に加入しているのは200人(加入した翌日には解雇されるケースが大半らしい)
  • 2014年の当産業全体の売上規模は13.7億ドル(世界シェア14%)でオランダに続いて世界2位

非常に面白いですね。少なくてもワタシには面白いです。上記要点に補足します。

アメリカで販売されているコカインの90%はコロンビア産。花の78%より独占市場という。続いて最低賃金に関してですが、これは仕方がない。コロンビア人の友人にも営業職で固定給はなし、販売した商品の数%のインセンティブをもらうだけって友達もいるし、そもそもインターンという名で集められる労働力は無給、仕事欲しい人なんて道に溢れています。「給料に不満があるなら辞めれば?」と、完全に労働者は守られていません。また、繁忙期の週84時間労働に関して、ブルーカラーは週6で働く(これ結構衝撃でした。)ので、それでも1日14時間労働×週6日、リアルな数字ですね。当然残業代なんて概念ないだろうし。

ひたすら花を切るんでしょうね。高校生の頃正月に地元のシュークリーム工場でアルバイトしていた時、ベルトコンベアから永遠と流れてくるシュークリームに生クリームをかけ続け「ワタシはなぜ生きているのか」を一人問答していた十数年前を思い出しました。今は、無理ですな。

経営者からすると最低賃金約3万円で1人の人間を使い倒せるなんて夢のような話ですが、立場変わって労働者からするとこれは辛い。毎年賃金は上昇するけど応じて物価も上昇。その場しのぎの単純労働は担い手が幾らでもいるしキャリアステップにもならない。そして更なる問題は労組に加入できない現実があると。ここですね。

我々にできること

専らコロンビアの労働環境の問題ではありますが、消費者の我々ができることは何か。花を購入しないという選択肢は、単純にそういう経営方針のブラック企業が潰れる云々の話の前に、被害を受けるのは経費削減で職を失うことになる労働者ですよね。だから買うならフェアトレードとされる花を購入する。ありきたりな結論ですが、特に日本からできるのはこれぐらいでしょうか。フェアトレードの花が身近に売っていない場合は、花を買う前に一度この事実を思い出す、情報を人と共有する、コロンビアの労働者を想像する、まあそれだけでは大きく変化することはないでしょうが、何もしないよりはいいでしょう。

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