ベネズエラ人にとってビットコインはライフライン

非常にニッチなテーマなのでここにアクセスしてくれたのはきっと仮想通貨界隈の方々だと思いますが、このブログは既にニッチなコロンビアという国を軸にしているので仮想通貨の専門的な話ではなく隣国ベネズエラ人(同居人)と日々接していて、「あぁ、ビットコインは彼らにとっての生命線なんだな」と感じたことをぐたぐた書いた程度です。テクニカルな話はしません。できません。前半はベネズエラ、後半は仮想通貨について。

ベネズエラの現状

まずワタシも人の事言えないぐらい、来るまで中南米に何も知らなかった人間の1人なので念の為申し上げておきますが、ベネズエラは決して今旅行に行くタイミングではありません。間違っても「クレイジージャーニー」に触発されてカタトゥンボの雷を観に行ったりしないでください(番組自体は非常に面白いです)。エンジェルフォールを観に行きたい一般旅行者ももう少し自体が落ち着くまで待ってください。多分あと数年、もしくは数十年後。また、危険な場所に魅力を感じる人間の性に素直に従い長期旅をしている方に、少しでもそれなりの情報を提供できればと思います。

まず一般的にコロンビアの方が、麻薬・殺人・パブロエスコバルだったりで危険なイメージを持っている日本人は多いですが、在コロンビア邦人からすると遥かにベネズエラの治安の方が悪いという認識です。何より今は政治的、経済的な危機なので。例を出すと2016年で81.8%の家庭が貧困レベル(2015年は73%)にあり、一日二食以下の家庭が2016年に32.5%(2015年は11.3%。健康志向の一日二食ではなく食べたくても食べれない層の話ね!)、2016年の成人平均体重は8.6キロ減2016年首都カラカスの殺人率は人口3.3百万人のうち4308人で世界1位(1000人に1人。。)、という悲惨な現状だから全く笑えない。スーパーには商品がなく、病院には水がない、等々情報の真偽のほどはわかりませんがそんな悪い話ばかり。繰り返しますが、特に次に行く国の詳細な情報調べずにまず行ってみるというバックパッカーの方々、間違っても今はそのタイミングではありません。

コロンビアに溢れるベネズエラ人

そう、ここ最近とにかくベネズエラ人とよく出会います。今住んでいる家は5人でシェアしていますが、内2人がベネズエラ人。2人とも20代後半で母国では仕事もないしハイパーインフレしてる通貨で給与をもらっても仕方がない、とコロンビアで真面目に働いています。2人とも会話程度なら英語が話せて、1人はとにかく英語で話したがる(そんな意欲の高いコロンビア人にはたまにしか出会わない)。両親と家族はベネズエラに残り息子娘は海外に出稼ぎに行く、そんな構図は何も珍しくなく2人ともそうです。「同級生の何割ぐらいが今ベネズエラを出て海外で働いているの?」と質問したらなんと「半分」とのこと。たまたま彼らの地元のケースでしょうが、ね。。ブレインドレインどころか、働き盛りの世代抜きでどう経済を立て直せるのか、構造的な問題だから経済が正常化するのは相当な時間を要すると思います。

ベネズエラ出身のウーバーの運転手にもよく出会います。ベネズエラどうなの?実際やばいんでしょ?って世間話をするわけですが、毎回毎回同じ質問をされるし良い思い出がない人達も沢山いるので人によってはさらっと冷静に流します。ただ色々聞いてくと危機的状況は街によっても大きく異なるし、家庭の生活レベルにも依る。スーパーには商品がない、というのは概ね事実らしく、ではどうやって食料を確保するのかというと、コネらしい。知り合いの食料品店経営者に電話して特別に残しておいてもらう。ではコネのない人達・貧困層はというと配給に頼るわけですが、その配給すら役人が横領して闇市場でさばくので本当に危機的な状況な様子。役人の腐敗具合はコロンビアも負けていないけどこれを聞くと少し可愛くみえてくるという不思議な感じです。

コロンビアに来ているベネズエラ人は母国の家族の命もかかってるから真面目に働く、という評判もあり、経営者の友人はコロンビア人ではなくベネズエラ人やメキシコ人など外国人を雇いたがる(背景には色々あるんだろうけども)。隣の国でも(そもそも昔は同じ国だったし)こうも違ってくるのかと。勝手な意見ですが、恐らく今まではコロンビアの方が真面目かつ勤勉で、一方ベネズエラは完全に石油に依存した経済でそもそも働かなくても良くね?スローライフ万歳のお国柄というイメージ(石油依存の高い国の傾向)だったのが、危機と独裁政権を経験して確実に人々の意識が変わってきたんだと思います。脱線しますがこの両国の意識の差は、ミサイル飛んできても身動きとれない平和ボケしている日本と97年のアジア通貨危機を経験してる韓国との違いに似てる気がするんですよね。別に韓流好きとかでもなく肌感覚の話ですが、海外にいると、人の意識も企業も韓国の方が遥かにハングリーだなと常々思います。

日本でのビットコインと詐欺野郎

日本は四月頭に改正資金決済法が施行されて日本語の仮想通貨関連情報が急増し、お茶の間でも話題になってるいるのは地球の裏側から把握しています。ただいくらプロの書き手とはいえ数日で仮想通貨(特に分裂騒動)を把握できるほど簡単な世界ではないし、日本語の記事を読んでて筆者が理解できてないのはよく伝わって、今までそれなりに信頼していたメディアには結構がっかりしました。トラストレス。

そして何より「ビットコインってなんか怪しい」、という一般的な意見は理解できますが、ネズミ講や詐欺関連と同類に捉えている人が多いことにはびっくりしています。先日放送されたクローズアップ現代の仮想通貨特集の冒頭で「ビットコインで大儲けしました、100g3000円の高級焼肉BBQサイコー♪」的なあからさまな演出をしていたのが実は詐欺師(?)で放送後お蔵入りになり、NHKでさえ翻弄されるというご時世なので仕方ないと言えばそれまでですが。自分の検索能力だけでは理解できないことだから他人の力を借りて理解しようとセミナーに行く努力は素晴らしいことですが、一部の古参(ツイッターやredditに生息する変人の代表格。Respectしてます。)除いて現段階の仮想通貨/ブロックチェーンセミナー”講師”の大半が情報弱者を食い物にする詐欺師、とまず疑って宜しいかと思います(大抵はただただ話が上手く金の匂いに敏感な流動性の高い方々で、昔からSatoshi Nakamotoに共感して、なんて人ではない)。「投資セミナー!」「詳細はLINEで(^_-)-☆」「儲けたい人限定」、これらはあからさま過ぎて笑えますがお気をつけ下さい。分野外のブロガーが発信したり一般層も入ってきて賑わうのは良いことです。値上がり益期待して始めるのも良し。ビットコイン自体は悪くありません、取り巻きの詐欺野郎が悪いのです。

コロンビアの仮想通貨?基本スキャム

コロンビアにもビットコイン関連のミートアップがあったりします。去年初めて参加した時は、ニッチな趣味の友達作りにもなり、コロンビアの仮想通貨の現状を紙面だけでなく口頭で情報を得られた非常に満足の行くイベントでした。でもやはりまだまだニッチでこの類のイベントは少ないので基本的に全て参加していますが、最近はスキャム(詐欺もの)がひどい。先ほど述べたいわゆる詐欺野郎のうんちセミナー/ネズミ講です。先日もコロンビア人と雑談してたら、「え、じゃあ君もxxxってやってるの?僕の同僚はどっぷりハマってるよ」( 。。。ネズミ講やん( ˘•ω•˘ ) )人はなぜググらないのだろう。詐欺野郎もしくはネズミ講野郎は全世界に生息します。

ベネズエラ人にとってはただの金儲けじゃなくて生きる術

直近二週間はビットコイン分裂騒動に一定の方向性が定まり価格が暴騰していて、ツイッターの仮想通貨界隈はお祭り騒ぎで大荒れ。一方ここコロンビアのリアルな世界ではまだビットコインの知名度は低く、この興奮と恐怖をそう簡単に共有できません。しかしその日、同居人のベネズエラ人と居間でコーヒーを飲んでいた時ふと「ビットコインの価格が急上昇してるね」と言われたんです。なんとビットコインまだ持っていないのにアプリまで入れてちょくちょく価格チェックしているとか。「今はかつかつだけど余裕資金が出てきたら投資しようと思う。でも今日暴騰しちゃったね。。いくらぐらいなら割安だと思う?」と。わお。。お兄さん涙出てきそう(彼とは同い年)。

コロンビアンペソで稼ぐ→ビットコインを買い保有→必要なタイミングでボリバルフエルテ(増えるって!紙幣の数はな!)に両替というスキーム。フエルテで稼いでも同じ。ビットコイン(もしくは外貨)で保有するかしないかで数年後の資産は雲泥の差が出る。コロンビアンペソも原油価格に左右される通貨だし信頼できるのは今までドルだったけど両替も禁止されているので(確認必要)、移動の自由度が遥かに高いビットコインに置き換わった感じでしょうか。そして日本でもビットコインを使ってアマゾンで買い物(しかも割引)して届けてもらえるサービスがありますが、なんとベネズエラでも使えるようす。ただそれも派手に頻繁に買い物すると目をつけられるからそれぞれこっそりやってるらしい。加えてビットコインのマイニングをしているとばれたらいちゃもんをつけられ没収されるから地下で活動しているとか。電気代がただみたいな国なんだからいっそのこと北朝鮮みたいに国ぐるみで始めればいいのにと思います。そして中南米の仮想通貨スタートアップを調べていて、本社をパナマに置いてるけど実はベネズエラ人がベネズエラ国内向けにサービスを提供している企業もあったりするのをみると、彼らは外からも独裁者と戦っているんだなと漠然と感じました(論理飛躍してるけど)。

先ほどのミートアップのリンク先でも書きましたが、ゲストスピーカーはベネズエラ人のマイナー。Mastering Bitcoinという、仮想通貨界隈では教科書的な本を出したアンドレアス・M・アントノプロスはギリシャ人。そうです、彼らの祖国はいずれも破綻しているようなとこです。危機感が違う。政府や銀行なぞそもそも信用していない。信用できない(コロンビアでも末端の銀行員が顧客の資産をくすねるとかしょっちゅう聞きます)。パソコンオタクやリバタリアンが主導し、こういった国々の国民の必要性にも応じる形でここまで育ったビットコイン。値上がり云々の以前に、資産を守るための手段、強いては生きるための手段なわけです。

もっと専門的な話を知りたい方は最近ユーチューバー化してきてるヒガシさんの動画をご参照ください。一般向けではありませんが、こちらのベネズエラ人から聞いていた内容と被る点も多く、勉強になりました。以上


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