コロンビアの傭兵ビジネスから想像する日本のブレインドレイン

どうもコロンビア在住のスズキです。ハーバードビジネスオンラインにて面白い記事があったのでシェアします。

ブレインドレインならぬフィジカルドレイン

コーヒー、コカインに続くコロンビアの「輸出品」!? コロンビアの傭兵が中東で増加

詳細は↑のリンク先記事を読んで頂きたいのですが、一部抜粋すると、

”コロンビアの傭兵は、2014年にアラブ首長国連邦によって契約されて、イエメンでサウジ軍の指揮下に加わって戦っている。週給1000ドル(12万円)に加えて、他にボーナスが支給され、アラブ首長国連邦の国籍も希望であれば取得できるという。”

”コロンビアでは優秀で経験豊富な軍人が良い報酬を求めて傭兵として軍隊から離れ、しかもその数が次第に増えていることに、軍の指導部では軍隊が弱体化してしまう恐れがあるとして懸念しているという。公式発表はされていないが、コロンビアでは傭兵に転身する軍人が1500人余りにまで及んでいるとも言われている。”

面白い。軍を持たない国が自国を防衛するためにアウトソースするのは、日本が事実上アメリカに防衛を委託しているような状況も含まれるかと思いますが、国の枠組みを超えて個人がそういう機会を求めて流れているんだなと改めて考えさせられました。コロンビアで同じように命張って働くなら、まだ給与・待遇のいい方で働く、当然の流れかと思います。優秀な人がジョブホッピングを繰り返して、その市場での自分の価値を高めていく感じ。ブレインドレインならぬフィジカルドレイン。

特にコロンビアのように、1つの会社に一生勤めるみたいな感覚がない国では待遇改善を求めて転職することに違和感ありません、と、今書いていて思ったのは日本の労働市場の流動性の低さが単に異常なんだな、ということ。未だに、「転職を繰り返す」→「1つの職場に長くいられない人」という悪い印象を持たれることが多い日本、実際そうなのかもしれませんが、別にそれは世界の当たり前ではないですよね。そんなに多く知らないけど、優秀な人程転職は適度にして待遇、会社の規模を上げる、もしくは独立する等している印象です。

自分自身は週12万円、単純計算で月50万円程度で戦地に赴くつもりは一切ありませんが、コロンビアの最低賃金が今のレートで月約2.5万円、学もコネもない人間が稼げるという意味では非常に魅力的な転職先でしょう。

ゲリラ組織だってビジネス

少し前に政府と和平合意を結んだFARCの兵士事情ですが、寺澤氏の「ビオレンシアの政治社会史」より下記引用します(下の画像にアフィ貼っておきます。2007年から2010年にコロンビア大使を務めた方による本で、深い洞察と考察がなされているので多角的にこの国を理解するにもおススメです)。

”2004年のFARC兵士のうち1年に3分の2の兵士が離脱し ていることになり、毎年相当多数の若者がリクルートされている計算になる。すなわち、 2009年の現有兵士のほとんど大多数が訓練度の低い兵士であるという姿が浮び上がっ てくる。”

データは少し古いですが、この国で一番大きかった反政府ゲリラ組織でさえ人材が定着しないブラック企業とすると、そこの労働者からしても政治理念・信念の前に、まず仕事をもらえるならという経済的な動機で入隊している人も多いようです。ここで離脱している人達は離脱しただけでしょうが、1つのプロフェッショナルを身に付けステップアップしていく、その分野が「闘う、守る」というだけであり、今後この考え方で傭兵を志願する若者は増えるかもね、と思いました。そしてスキルを身に付けたらもっと待遇のいい海外へ。

日本の給与は安い

少し話逸れますが、今の日本のおじさん世代が、「日本の給与安いからやってらんね、俺は海外行く」という思考になるのは難しいと思いますし、ちょっと前まで自分の頭の中でもお金がインセンティブで海外に行くというのは考えていませんでしたが、ブレインドレインの発生しているこの国に来て自分の甘い認識が崩れました。人は金の集まるところに集まるし憧れる。中国企業に優秀な日本人エンジニアが引き抜かれている問題、ここに日本の闇が詰まってる感じですかね。やりがいじゃなくてカネをクレ、貧しくなってから気が付くんだろうな。就職活動で給与を聞くのはタブー、とか奴隷じゃないんだから。

世界一周バックパック旅行をする前にワーホリ制度を使ってオーストラリアの農場で英語を学びつつ金を稼いでから旅を始めるという日本人の王道バックパッカーの現状とか、日本人は既に他のアジア諸国とも変わらない低賃金労働者の位置づけなんだと考えさせられます、少し大袈裟にいうと。ちなみにワーホリで英語を身に付ける、語学留学で英語を身に付ける、今まで一体どれだけの人がどれだけのお金を英語という魔術に費やし、いくら取り返したんでしょうかね。自分への投資、年収アップ?英語ネイティブの雇用を生み、非英語圏の経済圏から金を巻き上げるだけ巻き上げ、グローバルと称して経済でも自らのフィールドで闘わせる英語圏はギャンブルの胴元じゃないですか。そのサイコロに賭け、リスクを取るのも取らないのも自分次第。そして胴元になろうとしない我々は伸るか反るかの選択肢が与えられ、伸るインセンティブしかないから伸り、結果として胴元を潤す。もう既に非英語圏は搾取されるサイクルの中にいるだと改めて認識しています。別にそれに賛同しているとか、日本嫌いとかではなくて。

♯むしろ胴元を潤すだけ潤して投資回収できていないのはアタシだよ

自分自身、日本のサラリーマン生活に戻るなら香港もしくはアメリカでサラリーマンしようと思うのは、日本の給与が安過ぎるのも理由の1つです。こうやって個人の最適解を求めると胴元が潤う方向になる。

最後に

ということで、コロンビアの傭兵→ブレインドレインとフィジカルドレイン笑→日本の労働市場の闇(特にホワイトカラー)という論理の飛躍した展開をしましたが、割と真面目に日本の安い賃金問題は心配しています。そして今、アジア・中南米からの出稼ぎ労働者が話す片言の日本語を馬鹿にしている人は、自分の子供・孫が将来海外に出稼ぎに行って片言の言葉を話して現地の人に馬鹿にされる未来を想像しておいた方がいいよね。

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